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お知らせ

運送業者のBCP対策に関する実態調査

運送業経営者の半数以上が「BCP対策が不十分」と回答
4割以上がBCPを策定していない実態が明らかに
理由に「どこまでリスクを想定すべきかわからない」との声
〜一方で自然災害やコロナ禍を背景に約半数がBCP対策強化の必要性を実感〜


 株式会社ドコマップジャパン(東京都港区、代表取締役 浦嶋一裕、以下「ドコマップジャパン」)は、運送業の経営者101名に対し、運送業者のBCP対策に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。




調査サマリー





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調査概要


調査概要:運送業者のBCP対策に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年6月15日〜同年6月21日
有効回答:運送業の経営者101名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「株式会社ドコマップジャパン」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.docomap.jp/environmental-initiatives




半数以上が「自社のBCP対策が不十分」と回答


 「Q1.あなたの会社では、BCP対策が十分にできていますか。」(n=101)と質問したところ、「あまりできていない」が30.7%、「できていない」が19.8%という回答となりました。





・できている:7.9%
・ややできている:16.8%

・あまりできていない:30.7%
・できていない:19.8%
・わからない/答えられない:24.8%




BCP対策ができている業者の策定内容、「BCPで想定する緊急事態の絞り込み」が80.0%で最多


 Q1で「できている」「ややできている」と回答した方に、「Q2.BCPとして策定しているもの全てを教えてください。(複数回答)」(n=25)と質問したところ、「BCPで想定する緊急事態の絞り込み」が80.0%、「BCP基本方針の策定」が60.0%、「社内でのBCP推進体制の決定」が56.0%という回答となりました。





・BCPで想定する緊急事態の絞り込み:80.0%
・BCP基本方針の策定:60.0%
・社内でのBCP推進体制の決定:56.0%

・重要な業務の特定:48.0%
・BCP発動時の体制の明確化:48.0%
・中核事業・復旧優先事業の選定:44.0%
・事前対策の検討:44.0%
・BCP発動基準の明確化:44.0%
・事業継続に関する情報の整理と文書化の実施:44.0%
・その他:4.0%
・わからない/答えられない:16.0%




BCP対策ができていない理由、4割以上がBCPを策定できておらず


 Q1で「できていない」「あまりできていない」と回答した方に、「Q3.自社におけるBCP対策が不十分であると思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=51)と質問したところ、「そもそもBCPを策定していない」が43.1%、「リスクを十分に検討できていない」が37.3%、「リスクに対しての対策を検討しきれていない」が33.3%という回答となりました。





・そもそもBCPを策定していない:43.1%
・リスクを十分に検討できていない:37.3%

・リスクに対しての対策を検討しきれていない:33.3%
・BCP発動基準・発動体制を明確化できていない:27.5%
・事業継続に関する情報の整理と文書化の実施がなされていない:27.5%
・担当する部署が整備されていない:19.6%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:5.9%




BCP対策の課題、約4割が「どこまでリスクを想定すべきかわからない」と回答


 「Q4.BCP対策を策定するにあたって、課題に感じることを教えてください。(複数回答)」(n=101)と質問したところ、「どこまでリスクを想定すべきかわからない」が37.6%、「策定のための人がいない」が25.7%、「検討事項が多すぎる」が19.8%という回答となりました。





・どこまでリスクを想定すべきかわからない:37.6%
・策定のための人がいない:25.7%

・検討事項が多すぎる:19.8%
・何から手をつければ良いかわからない:17.8%
・策定のためのコストがない:17.8%
・策定のための時間がない:11.9%
・相談できる先がいない:7.9%
・その他:1.0%
・特に課題はない:7.9%
・わからない/答えられない:25.7%




他にも「BCPの重要性に関する意識にばらつきがある」や「そこに労力を投入する余裕はない」などの課題の声


 Q4で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.Q4で回答した以外に、BCP策定について課題に感じることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=75)と質問したところ、「BCPの重要性に関する意識にばらつきがある」や「そこに労力を投入する余裕はない」など45の回答を得ることができました。




<自由回答・一部抜粋>
・64歳:BCPの重要性に関する意識にばらつきがある。
・61歳:そこに労力を投入する余裕はない。
・60歳:複数の部門が関係するが、総合的に動く人が足りていない。
・58歳:コロナ禍、大きな自然災害等、世の中の急激な変化に対してどこまで準備しておけば十分なのか基準が判らない。
・66歳:拠点が多く、それぞれの地域リスクが十分把握できていない。
・58歳:料金がいくらかかるかわからない。




約半数が今後BCP対策を強化していく必要性を実感


 「Q6.あなたは、今後BCP対策を強化していく必要性を感じていますか。」(n=101)と質問したところ、「強く感じている」が13.9%、「やや感じている」が34.7%という回答となりました。





・強く感じている:13.9%
・やや感じている:34.7%

・あまり感じていない:15.8%
・全く感じていない:6.9%
・わからない/答えられない:28.7%




その背景として「自然災害の増加」や「従業員を守りたい」が6割以上


 Q6で「強く感じている」「やや感じている」と回答した方に、「Q7.BCP対策の必要性を感じている理由を教えてください。(複数回答)」(n=49)と質問したところ、「近年、地震や台風などの災害が頻発しているから」が65.3%、「従業員を守りたいから」が61.2%、「取引先からの信頼性向上につながるから」が57.1%という回答となりました。





・近年、地震や台風などの災害が頻発しているから:65.3%
・従業員を守りたいから:61.2%
・取引先からの信頼性向上につながるから:57.1%
・新型コロナウイルス感染拡大により、緊急事態に備える必要性を実感したから:55.1%
・企業価値向上につながるから:38.8%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%




他にも「事業継続」や「時代の流れ」などでBCP対策の必要性を感じるとの声も


 Q7で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q8.Q7で回答した以外に、BCP対策の必要性を感じていることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=49)と質問したところ、「事業継続」や「時代の流れ」など26の回答を得ることができました。




<自由回答・一部抜粋>
・60歳:事業継続。
・47歳:時代の流れ。
・58歳:自然災害。
・26歳:従業員の生活を守るのが経営の肝。
・64歳:東日本大震災により被災した。
・61歳:世間の見方が厳しくなっているから。




運送業者としてBCP対策が重要な理由、約7割が「物流の停滞は経済活動や国民の生活にとって、死活問題となるから」と回答


 Q6で「強く感じている」「やや感じている」と回答した方に、「Q9.運送業の経営者として、BCP対策が重要であると思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=49)と質問したところ、「物流の停滞は経済活動や国民の生活にとって、死活問題となるから」が67.2%、「有事には救援物資の輸送など社会的責任も求められるから」が59.2%、「的確かつスピーディに荷物を届ける使命があるから」が42.9%という回答となりました。





・物流の停滞は経済活動や国民の生活にとって、死活問題となるから:67.2%
・有事には救援物資の輸送など社会的責任も求められるから:59.2%
・的確かつスピーディに荷物を届ける使命があるから:42.9%
・公共性のある仕事だから:42.9%
・運送事業が出来なくなると収入がなくなるから:38.8%
・他業者との連携も重要な役割だから:28.6%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%




運送業者として、「荷主ビジネスのBCP貢献」や「インフラ事業として社会への貢献」などの考えも


 Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に、運送業の経営者として、BCP対策が重要であると思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=49)と質問したところ、「荷主ビジネスのBCP貢献」や「インフラ事業として社会への貢献」など24の回答を得ることができました。



<自由回答・一部抜粋>
・53歳:荷主ビジネスのBCP貢献。
・60歳:インフラ事業として社会への貢献。
・58歳:必要物資(燃料等)の安定的な供給体制。
・42歳:従業員の生活を守りたいから。
・58歳:顧客に多大なるご迷惑をかけたくない。




運送業者として、「荷主ビジネスのBCP貢献」や「インフラ事業として社会への貢献」などの考えも


 Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に、運送業の経営者として、BCP対策が重要であると思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=49)と質問したところ、「荷主ビジネスのBCP貢献」や「インフラ事業として社会への貢献」など24の回答を得ることができました。





<自由回答・一部抜粋>
・53歳:荷主ビジネスのBCP貢献。
・60歳:インフラ事業として社会への貢献。
・58歳:必要物資(燃料等)の安定的な供給体制。
・42歳:従業員の生活を守りたいから。
・58歳:顧客に多大なるご迷惑をかけたくない。




「車両・ドライバーの動態管理」がBCP対策に役に立つと約6割が期待


 「Q11.あなたは、BCP対策のために車両・ドライバーの動態管理が役に立つと思いますか。」(n=101)と質問したところ、「非常にそう思う」が17.8%、「ややそう思う」が41.6%という回答となりました。





・非常にそう思う:17.8%
・ややそう思う:41.6%

・あまりそう思わない:10.9%
・全くそう思わない:4.0%
・わからない/答えられない:25.7%




BCP対策のため「車両・ドライバーの動態管理」を導入済み業者は約4割、今後導入・検討する業者は約6割


 Q11で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q12.BCP対策のために、車両・ドライバーの動態管理を今後導入する予定はありますか。」(n=60)と質問したところ、「すでに導入している」が35.0%、「今後導入する予定がある」が20.0%という回答となりました。



[IMG10]



・すでに導入している:35.0%
・今後導入する予定がある:20.0%
・導入の予定はないが、検討はしたい:40.0%
・導入・検討の予定はない:1.7%
・わからない/答えられない:3.3%




運送業が思うBCP対策用として有用なツール、「GPS付きデジタコ」や「災害時にも対応した道路状況、給油可能なガソリンスタンド情報等が判るアプリケーション」など


 「Q13.BCP対策用として、どのようなツールまたはアプリがあれば有用だと思いますか。その理由も含め、自由なご意見をお聞かせください。(自由回答)」(n=101)と質問したところ、「GPS付きデジタコ」や「災害時にも対応した道路状況、給油可能なガソリンスタンド情報等が判るアプリケーション」など51の回答を得ることができました。



<自由回答・一部抜粋>
・47歳:GPS付きデジタコ。
・58歳:災害時にも対応した道路状況、給油可能なガソリンスタンド情報等が判るアプリケーション。
・60歳:確実な通信手段。
・53歳:社会インフラの復旧具合がリアルタイムでわかるもの。
・61歳:運転している地域での気候(豪雨・豪雪・台風・竜巻等)や交通災害の情報が発信されるもの。
・52歳:緊急時アマチュア無線の活用。
・57歳:リアルタイムで正確な被害状況が把握できる情報ツール。




まとめ


 今回は、運送業の経営者101名に対し、運送業者のBCP対策に関する実態調査を実施しました。

 まず、運送業の半数以上が「自社のBCP対策が不十分」と回答しました。BCP対策ができている業者の策定内容は、「BCPで想定する緊急事態の絞り込み」が80.0%で最多でした。一方で、BCP対策ができていない業者の理由として、4割以上がBCPを策定できていないことが分かりました。

 そこで、BCP対策の課題を伺うと、「どこまでリスクを想定すべきかわからない」が37.6%で最多、次いで「策定のための人がいない」が25.7%、「検討事項が多すぎる」が19.8%でした。その他自由回答においても、「BCPの重要性に関する意識にばらつきがある」や「そこに労力を投入する余裕はない」など具体的な対策案を考えること自体の難しさが伺えました。

 なお、運送業の約半数が、今後BCP対策を強化していく必要性を実感していることが明らかに。その背景として「自然災害の増加」や「従業員を守りたい」という意見が6割以上あり、他にも「事業継続」や「時代の流れ」などでBCP対策の必要性を感じるとの声も挙がりました。また、運送業の経営者としてBCP対策が重要だと考える理由も伺うと、約7割が「物流の停滞は経済活動や国民の生活にとって、死活問題となるから」と回答しました。他にも「荷主ビジネスのBCP貢献」と自社がBCP対策を講じることで、荷主のBCP対策にもなるという意見も挙がりました。

 次に、「車両・ドライバーの動態管理」がBCP対策に役に立つと、約6割が期待していることが分かりました。また、BCP対策のため「車両・ドライバーの動態管理」を約4割の業者が導入済み、約6割は今後導入・検討すると回答しました。最後に、運送業が思うBCP対策用として有用なツールを伺うと、「GPS付きデジタコ」や「災害時にも対応した道路状況、給油可能なガソリンスタンド情報等が判るアプリケーション」などを期待する声が挙がりました。

 近年さまざまな業界においてBCPの対策が求められており、銀行融資の判断材料として用いられるなど、BCP対策は企業の顧客への信頼にも関わるようになりました。突然の新型コロナウイルスまん延による混乱や、最近では自然災害も多発していることもあり、BCP対策の必要性を実感する経営者は年々増加傾向にあります。全ての事態を予測することは難しいですが、業種によってそれぞれ対策できることがあるのではないでしょうか。緊急時において、運送業務は最も必要とされる業種であることから、今後の新たな有用なツールによるBCP対策という方法が運送業界が取り入れやすい対策となるのではないでしょうか。


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